Tレグ細胞

 

期待すべきは”特別な免疫細胞”Tレグ（制御性T細胞）。

新型ウィルス感染症が重症化する原因は、免疫の暴走と言われています。

免疫の暴走を止めるのは「Tレグ」です。

そして、Tレグを増やすカギは、『酪酸』です。

 

 

重症化の原因は免疫の暴走

 

普段、病原菌やウィルスなどが体にに入ってくると、免疫細胞が”戦士”となって攻撃し、体を守ってくれています。

ところが新型ウィルスの場合、この”戦士”たちが、私たちの体を攻撃し始めてしまうことがわかりました。

その結果、肺や臓器等が攻撃され重症化にいたってしまいます（サイトカインストーム）。

ウィルスそのものよりも、味方であるはずの免疫細胞の”戦士”たちの暴走によって、体が攻撃され、重症化に至ってしまっていた、ということなのです。

 

 

”特別な免疫細胞”Tレグとは？

 

ところが近年、免疫研究の世界的権威・坂口志文教授により、”戦士”たちの過剰な攻撃を抑える「特別な免疫細胞」が存在していることが突き止められました。

その名も「Tレグ」。

Tレグは、”戦士”たちのいわば「ブレーキ役」。

全身の各所で暴走している免疫細胞の”戦士”をなだめ、私たちの体への攻撃を止めていることがわかってきました。

つまり、Tレグが少なくなってしまうと、新型ウィルスで重症化に至る一因となってしまう可能性がある、ということなのです。

 

 

Tレグは酪酸で増える！

 

そんな大事なTレグが、実は腸内で作り出されていることが最新研究で明らかになりました。

腸内細菌の働きによって作り出された「酪酸」が、Tレグを増やしていたのです。

新型ウィルスの重症化を食い止めるカギは「酪酸」にあるかもしれません。

また、今回、感染症による致死率が低かった日本人の腸内細菌ですが、実は「酪酸」を作り出す能力が、他の国の人より高いことが報告されています。